「描画モード」の解説

 

 では試しに、こちらの画像とこちらの色(カーミン:カラーコード#d5345e)を使って効果を見てみましょう。

通常 ディザ合成 比較(暗)

通常

 特にいじっていない、初期の状態。各ピクセルと編集(またはペイント)して、結果色を作成しています。
 「モノクロ2階調画像」や「インデックスカラー画像」で作業する場合は、「2階調化」と呼ばれたりします。

ディザ合成

 各ピクセルと編集(またはペイント)して結果色を作成します。
 このモードでの結果色は、ピクセルの不透明度に応じて基本色や合成色でランダムに置き換えられます。

比較(暗)

 各チャンネル内のカラー情報に基づいて、基本色もしくは合成色のいずれか“暗い”方を結果色として選択します。
 合成色よりも明るいピクセルが置き換えられ、合成色よりも暗いものは変更されません。

乗算 焼き込みカラー 焼き込み(リニア)

乗算

 基本色と合成色を乗算します。
 結果色は暗めになり、どのカラーもブラックで乗算すると結果はブラックになります。
 (ホワイトで乗算した場合、変更されません)

焼き込みカラー

 基本色を暗くし、コントラストを強調して合成色を反映します。
 (ただし、ホワイトで合成した場合は何も変更されません)

焼き込み(リニア)

 基本色を暗くすることで明るさを落とし、合成色を反映します。
 (焼き込みカラーと同様、ホワイトで合成した場合は何も変更されません)

比較(明) スクリーン 覆い焼きカラー

比較(明)

 極端な話ですが、「比較(暗)」の反対です。
 各チャンネル内のカラー情報に基づいて基本色または合成色のいずれか明るい方を“結果色”として選択します。
 合成色よりも暗いピクセルが置き換えられ、合成色よりも明るいピクセルは変更されません。

スクリーン

 合成色と基本色を反転したカラーを乗算します。
 結果色は比較的明るめで、ブラックで加工するとカラーに変更はなく、ホワイトでやるとホワイトになります。
 複数の写真スライドを重ね合わせ、投影したような効果が得られるモードです。

覆い焼きカラー

 各チャンネル内のカラー情報に基づいて基本色を明るくし、コントラストを落として合成色を反映します。
 ブラックと合成しても変化はありません。

覆い焼き(リニア) オーバーレイ ソフトライト

覆い焼き(リニア)

 各チャンネル内のカラー情報に基づき、基本色を明るくして“明るさ”をまし、合成色を反映します。
 こちらもブラックと合成しても変化はありません。

オーバーレイ

 基本色に応じてカラーを乗算(またはスクリーン)します。基本色のハイライト及びシャドウを保持しながらパターンまたはカラーを既存のピクセルに重ねます。
 基本色は置き換えられませんが、合成色と混合されて基本色の明るさまたは暗さを反映します。

ソフトライト

 合成色に応じてカラーを暗く、または明るくします。画像上でスポットライトを照らしたかのような効果が得られます。
  合成色(光源)が50%グレーよりも明るい場合   = “覆い焼き”されたかのように画像が明るくなります。
  反対に、合成色が50%グレーよりも暗い場合    = “焼き込み”されたかのように画像が暗くなります。
  純粋なホワイト、またはブラックでペイントした場合 = かなり暗い、または明るい領域が生成されます。
                                     (が、純粋なホワイトまたはブラックにはなりません)

ハードライト ビビットライト リニアライト

ハードライト

 合成色に応じてカラーを乗算、またはスクリーンします。画像上で直接スポットライトを照らしたような効果が得られます。
  合成色(光源)が50%グレーよりも明るい場合   = “スクリーン”されたかのように画像が明るくなります。
                                     (画像にハイライトを追加する時に役立ちます)
  反対に、合成色が50%グレーよりも暗い場合    = “乗算”されたかのように画像が暗くなります。
                                     (画像にシャドウを追加する時に役立ちます)
  純粋なホワイト、またはブラックでペイントした場合 = 純粋なホワイトまたはブラックになります。

ビビットライト

 合成色に応じてコントラストを増加(または減少)させ、カラーの焼き込み(または覆い焼き)を行います。
  合成色(光源)が50%グレーよりも明るい場合   = コントラストを落として画像を明るくします。
  反対に、合成色が50%グレーよりも暗い場合    = コントラストを上げて画像を暗くします。

リニアライト

 合成色に応じて明るさを減少(または増加)させ、カラーの焼き込み(または覆い焼き)を行います。
  合成色(光源)が50%グレーよりも明るい場合   = 明るさを増やして画像を明るくします。
  反対に、合成色が50%グレーよりも暗い場合    = 明るさを落として画像を暗くします。

ピンライト 差の絶対値 除外

ピンライト

 合成色に応じてカラーが置き換えられます。
  合成色(光源)が50%グレーよりも明るい場合   = 合成色より暗いピクセルは置き換えられます。
                                     (合成色より明るいピクセルは変更されません)
  反対に、合成色が50%グレーよりも暗い場合    = 合成色より明るいピクセルは置き換えられます。
                                     (合成色より暗いピクセルは変更されません)
 画像に特殊効果を追加する時に役立ちます。

差の絶対値

 各チャンネル内のカラー情報に基づき、合成色を基本色から取り除く、もしくは基本色を合成色から取り除きます。明るさの“値”が大きい方のカラーから小さい方のカラーを取り除きます。
 ホワイトと合成すると基本色の値が反転します。反対に、ブラックと合成しても変化はありません。

除外

 “差の絶対値”と似ていますが、こちらは効果のコントラストはより低くなります。
 差の絶対値と同様、ホワイトと合成すると基本色の値が反転し、ブラックと合成しても変化はありません。

色相 彩度 カラー

色相

 基本色の“輝度”及び“彩度”と、合成色の“色相”を使用して結果色を作成します。

彩度

 基本色の“輝度”と“色相”及び合成色の“彩度”を使用して結果色を作成します。
 このモードで“彩度ゼロ(グレー)”の領域をペイントした場合、何も変更されません。

カラー

 基本色の“輝度”と合成色の“色相”および“彩度”を使用して結果色を作成します。
 これによって画像内のグレーレベルは保持され、モノクロ画像のカラー化(及びカラー画像の階調化)に役立ちます。

輝度

輝度

 基本色の“色相”及び“彩度”と合成色の“輝度”を使用して結果色を作成します。
 このモードでは、“カラー”モードと反対の効果が作成されます。

カラー比較(暗) カラー比較(明) ハードミックス

 この文章を記入する際、欠けていた描画モードもやってみました。
 ちなみに 左:カラー比較(暗) 中:カラー比較(明) 右:ハードミックス となっております。